星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
聖也さんが私の手を取り指を絡めた。
私はそれに応えて少しだけ笑う。

―私はあなたに嘘をついた。
 大好きなあなたを守るためとはいえ
 あなたを騙したんだ。

聖也さんも私に続いて笑う。

―そんな裏切り者の私を許してくれますか?
 そんな私にあなたのそばにいる権利は
 あなたの隣で笑う権利はありますか?

私はみんなの幸せそうな姿を見て少しだけ涙が溢れそうになる。

―私は幸せになっていいのでしょうか?
 私が笑っていていいのでしょうか?
 私の幸せは本物なのでしょうか?

左手首の一瞬の痛みとともに、左目から一粒涙が流れる。

―私はあなたに隠している過去がある。
 いつ暴れだすか分からない
 “ケモノ”を胸の中に飼っている。

聖也さんは私の涙に気づき、右手の人差し指で拭った。

―もし全てを許して受け入れてくれるなら
 もう一生私を離さないで下さい。
 ずっと側にいさせて下さい。

私たちがもう一度笑い合うと、夜空に1つ星が流れた。

―私は生涯あなたを愛し続ける。
 何があっても離さない。
 あの星に愛を誓います。

私たちは顔を見合わせると聖也さんが口を開く。

「心春、嘘は?」

「ついてません。」

重ねた手はかすかに熱をもち、確かに私たちを繋いでいた。


『星の降る夜、僕は君に嘘をつく。』

Fin.
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