星の降る夜、僕は君に嘘をつく。

「いることはいるのよ～。
でも伊東さんが離してくれなくてね。」

伊東さんとは椿先輩の大ファンの中３の先輩。
部外者の私が言うのも何だが、椿先輩は迷惑がってるからやめて欲しい。

「あの子、“佐伯さんとなら諦めますぅ”
って言うの。」

椿先輩によると彼女は自分が可愛いと思ってるみたいで自分より可愛い人じゃないと椿先輩と関わるのを認めないようだ。

普段から聖也先輩や椿先輩はもちろん同輩たちや碧兄と櫻さん、みんな整った顔立ちをしている美形に囲まれている私からすれば、はっきり言えば伊東先輩は全くと言っていいほど可愛くないが。

「ねぇ、心春おね
「先輩には悪いですけど、
心春の隣は俺がもらうんで。」

そう言ったのは意外にも一馬だった。