星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
「ねえね、星蘭に“しっと”してるでしょ?」

「紅蘭、うるさい!」

私の膝の上にいる紅蘭がそう言って、私は思わず軽く怒鳴ってしまった。

「あら、心春。
私は心春に抱きつかれても嬉しいよ?」

「椿先輩も何言ってるんですか!?」

その後は私の膝の上に紅蘭が、椿先輩の膝の上に星蘭が座った状態で私と椿先輩は話していた。

「こんな可愛いのが二人もいたら癒されるに決まってるわね。」

「今日は存分に癒されて下さい。」

星蘭の頭を撫でながら呟く椿先輩に私の言えることはこれしかなかった。

「佐伯家ってどうなってんのよ。
心春といい櫻さんといい、この子たちといいあのシスコン兄貴といい…
どんだけ美形が揃ってるの?

どうせお父さんもお母さんも美形なんでしょう?」

「まあ、父はどうかとして母は綺麗でしたよ。私の記憶の限りですが。
でも母は日本人の血は4分の1なのに髪は黒かったんです。」
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