星の降る夜、僕は君に嘘をつく。
こんこんっ

しばらく椿先輩と他愛もない話をしているとドアがノックされてから開いた。

「「ねえねー」」

現れたのは紅蘭と星蘭。
そう言いながら二人は私に抱きつく。

「紅蘭、星蘭。
今、お客さん来てるからダーメ。

椿先輩、ごめんなさい。
これが妹の紅蘭と星蘭です。」

「何この可愛いの。
無茶苦茶可愛いじゃん!」

椿先輩がそう言うと星蘭がちらりと椿先輩の方を見て駆け寄る。

「おねぇさん誰?」

「星蘭っ!」

私が呼び止めるが一足遅かった。

「私は伊集院椿。心春ちゃんの学校の人。」

「おねぇさん、綺麗!」

そう言って椿先輩に抱きついたんだ。

「椿先輩、本当にごめんなさい。
うちの妹がご迷惑をおかけして…」

私は言葉を発したものの、本当は椿先輩に抱きついている星蘭が少し羨ましい。
私だって抱きついたことないのに…
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