愛のメロディー
ボクはとにかく、精一杯泣いた。




誕生日なのに
お母さんがいないことが悲しかった。




誕生日なのに
お祝いしてもらえないことが悲しかった。




誕生日なのに
ケーキやプレゼントが
ないことが悲しかった。




誕生日なのに
悲しいことが多すぎることが悲しかった。




たくさん泣いても何も変わらない。




『神様がいるのなら、
どうして神様はボクに
こんなにたくさんの
嫌がらせをしてくるのだろう?』




ボクはそう思った。




ボクはしばらく寝ないで待っていたけど
お母さんはこの日、
家に帰ってくることはなかった。




こうしてボクが家で過ごした
最後の誕生日が終わってしまった。
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