今の私は一週間前のあなた
あの日から一年後



修也が死んだ



修也に助けられて

数日後。



修也の葬式があった


もう何が起こってるのか分からなくて

分かりたくなかったんだ




今になってわかる
きっと、
あの時の私は壊れていたんだと





「…修也」

花を添える時私はその顔を見れなかった

最後なのに
最後だと思いたくなくて

死んだって

もう会えないって


…理解したくなくて。




「あんたのせいよ!あんたのせいで、修也が!」

突如ぐっと胸ぐらを掴まれ戸惑う
目の前には泣き腫らした目で更に泣き叫ぶ修也のお母さんがいた


普段は優しくて、
幼馴染の私にもケーキとかを作ってくれて

修也と喧嘩した時ですら
仲良くしてくれた



私たちが付き合ったことを祝福してくれた



大好きだった




バシィッ
頬を思いっきり叩かれて
ジワリと痛みが増す

「やめないか」
修也のお父さんが止めに入るけど
修也のお母さんは止まらなかった


「あんたなんかを庇ったせいで修也が

修也ぁぁぁあああ!」



悲鳴のような叫び声が響いて周りがしんと静まりかえる
コソコソと影から噂をする声が聞こえた



わかってる。
私のせいだってことくらい


でも…


私だって

私だって.....!





「それくらい知ってるよ!!!」


私の叫び声で周りがシンッと静まり返り
影でコソコソと話す噂話ですらも止まった


叫び嘆いていた修也のお母さんですら止まった

みんなの視線を嫌な感じで一心に集める

驚いたような顔
悲しそうな顔
軽蔑するような顔

いろんな人が私を見た

それでも一度叫べば止まらなくて
修也のお母さんの叫び声が頭の中で
ぐわんぐわん と繰り返される


『あんたなんかのせいで修也が。』



ぐっと堪えるために強く右手の握りこぶしを強く握り直す

そして言葉を紡いだ



「私は…
頭悪くて
スポーツも得意なわけじゃなくて
特別美人でもなくて?
でも修也は

修也は…

かっこいいし
みんなから信頼されてるし

頭がいいってわけじゃないけど
一緒に考えて悩んでくれる優しさがある」




そうだよ
修也より私が…





「私が死ねばよかったんでしょう!?」




私が叫べば
修也のお母さんがはっと我にかえる




「私が…



私が死ねばよかったんでしょう…??」



涙が出るのにひきつる顔で笑って見せる

自分に呆れて
堪らなかった

言葉の最後の方はもう声になってなくて...



涙が止まることなく頬を伝う

隠してきた
耐えていた思いがここで爆発した
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