今の私は一週間前のあなた
「でさ、もう1人の“私”って呼ぶのは長いし、呼びにくくない?」
…確かに
「そう、だね。なんて呼ぶの?」
うーん、と考える目の前のもう1人の“私”
「“藍乃”はあの日に死んだんだよね」
昨日私が言った言葉だ
「…うん」
頷く
もう、藍乃として生きるつもりはない
「じゃあ…
あなたが “藍”
私が乃…そうだ。“乃々”
でどうかな」
“藍”
あい
ai
私は今日から
“藍”
「いいよ。藍ね」
もう1人の“私”が乃々というのはきっと
『私はあなた
あなたは私』
だからだろう。きっと
同じ顔
同じ声
私の過去を知っていて
私の未来を知っている
“私”