今の私は一週間前のあなた


そんな…
せっかく会えたのに


時計に目を移すとその針は9時を指していた
寝ていたのだろうか
夢、だったのだろうか




「…っ…夢?」


…違う。
夢はこっちでしょ?


もう1人の自分がいるなんてありえないじゃん

修也が死ぬなんてありえない




いつもみたいに
修也は笑って私を抱きしめてくれる

「好きだよ」って言ってくれる。…はずだよね?






「…ねぇ、修也は…?」




頭がボゥっとして何も考えられない
働かない頭のまま私は乃々に話しかけた

「修也はどこ…!?」



ねぇ、どこ?
かくれんぼなんて子どもみたいな真似しないで出てきてよ

修也?

ねぇ…

「修也ぁ!」

頭をぐしゃぐしゃと掻き回して叫ぶ


「嫌だ嫌だ嫌だ!
修也!!!」




現実はどっち?

こっちじゃないよね

修也が生きてる世界が本物だよね?





「…藍!」

パシッと手首を掴まれて動きが止まる
私は眉間にしわを寄せた乃々を見上げて呟いた

「…私、“藍”じゃない…」



乃々が困ったように私を見下ろす

自然と口角が緩んだ




「私、“藍乃”だ…よ、
…私も…修也も…
死んでなんか…いない……よね?」


自信が持てなくなって最後は疑問形になってしまった
現実か夢か現実か。

今いる世界がわからなくなって
目の前が真っ暗になってしまった


「…っ!修也は!
あんたの彼氏は死んだんだよ!!!」

その迷いをぶった切るように
…初めて
乃々が叫んだ
< 47 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop