記憶を失くした少女【完】



____ガチャ。


屋上のドアを開けると6月の暖かい風がブワッと吹き込み、長い髪の毛と、スカートが緩やかに揺れる。


見た感じ私と遥輝以外まだいないみたい。


「早く来すぎたな」


「私はほぼ強制的だったんだけどね」


今は腕離されてるけど、ここに着く前はずっと腕引っ張られてたから少しだけ腕が痛い……………。


それに、朝のホームルームサボっちゃったという罪悪感が凄いんだよなぁ………。


「遥輝達はいつもホームルーム出てないの?」

私と同じように隣で遥輝は屋上のフェンスに寄りかかっている。

校庭やプール、学校の近くに建て並んでいる民家など、淡々とした風景だけど、意外と屋上から見下ろす景色も悪くない。


「アイツらは………遅刻してんな。萌は日によるって感じだな」


「確かに遅刻してた(笑)萌ってRYUSEIの姫の子だよね?何回か見たことはある」

ふわふわしてて、可愛い子………………。

見た目や名前からして女子って感じすっごくする!!


そんな子に意地悪してた前の私…………………何考えてんのよ!!もう!!

落ちた書類渡したときも、ニコって微笑んでくれたし、あの子は絶対性格いいと思う。


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