記憶を失くした少女【完】


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先生が来たのは8時半頃。


茶色の髪を後ろでまとま、細くて白衣の似合う優しそうな飯尾千代(いいお ちよ)という女の先生。


ここに来ることを言ってたはずなのに、私を見て『誰?』って感じの顔をするから名のってみると、『え!!?』と驚かれてしまった。


なんか、最近驚かれることが多い気がするけどそんなに前の私とかけ離れてるんだなってことは察し付いた。


「あなた……そんな感じだったかしら?」

「あ~………事情聞きませんでした?」

別に隠せるもんじゃないし、言ってもいいって言ったはずなんだけどなぁ?

「…………そうでしたね。前とは随分違うものだから失礼したわ」


この先生ももちろん前の私を知っている情報者……。

まぁ、記憶が戻ったからと言って今の性格や格好をまた前の私に変える気はないけど。

でも記憶が仮に戻ったらどうなるんだろ?

今の私はどこにいくの?


消えるのかな………………………。


あぁもう。1人で深く考える癖やめなきゃ!!

「この学校について何か聞いたかしら?」

「あ~、地元の不良校ってことぐらいですかね?」

「この学校はその通り不良校で『有名』なの」

不良校で………………有名?


相当ガラが悪いってこと?


「あら?それは知らなかった感じかな?この学校の生徒に県で1の強豪…………」


部活生とか?

不良だけど、バスケではスゴい的な設定のやつ?


「暴走族『RYUSEI』がいるの」


暴走族…………!!!???





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