恋愛初心者
ー…


「え!?じゃぁ、結衣って今まで彼氏いたどころか好きな人もできたことないの!?」


「ちょっ、美穂、声が大きいっ」


入学式から数時間後、今はSHRの時間だが、担任の先生が遅れているらしく、私は奇跡的に斜め後ろの席だった美穂と話をしている。


「ごめんごめん、つい…え?結衣の中学って女子中?」


「ううん、普通に男の子もいたよ」


「それなのに好きな人もできなかったの?」


「うん」


「気になる人も」


「へへへ」


そう、私相沢結衣は15年間生きてきてなんと一度も好きな人ができたことがないのです。


「へへへって…あんたねぇ…」


美穂はそういい額に手を当てた。


「んー、別に好きな人がいらないってわけじゃないんだけど…」


「だけど?」


「なんか…ピーンって来ないんだよね」


「へぇ~、もしかしたら高校ではできるかもよ?」
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