イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
「じゃあ、何も心配しなくても平気ってこと?」
そう聞けば、うなずきつつ伊吹が答える。
「まぁ、一応策は施してある。それでも何かあれば俺にすぐ言えよ。今日は朝の回診あるから先に行くけど、大丈夫か?」
伊吹の言葉に私はホッとした顔をして答えた。
「うん、私は準夜勤だから大丈夫。気を付けてね」
見送るために玄関まで出ると、伊吹は靴を履きつつ言った。
「準夜勤か、それなら帰りは同じ位だな。待ってるから一緒に帰ろう。家事は無理しなくていいからもう一眠りしておけよ。じゃあ行ってくる」
言うなりチュッと、軽いキスを落として伊吹は出掛けた。
「うー、この甘さ慣れないぃ……」
少し玄関で惚けてしまったのは仕方ないと思う。
だって、伊吹曰く付き合ってたという無自覚期間の比では無い甘さが昨日から凄くて。
私は伊吹の行動と言葉に、赤面しっぱなしである。
それでも、何とか我に帰り、家事をこなして早めにお昼を食べると仮眠する。
起きたらバタバタと準備をして、その日の勤務に向かった。
――― ――― ―――
職場に行くと、ロッカールームで先輩ナースの雪乃さんに捕まる。
「やーっと伊吹先生と結婚したんだって?おめでとう!朝のナースステーションはえらい騒ぎだったわよ」
そう教えてくれる雪乃さんは、ベテランナースで二児の母である。