イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
そうして生活していくにつれて伊吹の奥さんと呼ばれることに恥ずかしさと照れくささ、そして喜びを感じるようになった。
それに二人で居ると甘く暖かく、穏やかで落ち着くけれど最近なにか物足りなくなった。
それがどうしてなのか気づいた時にはやはり内心慌てたけれど、伊吹への気持ちがまた膨らんだのだと思って育った自然な気持ちの流れに任せようと決めたのだ。
しかし、口に出してはそんな事は言えない。
お付き合いレベル底辺の私……。
でも、そこは伊吹である。
私の態度もろもろで察知して、さっきの発言だ。
「あ、あのね。最近確かに気づいたの、自覚したの。でも自信なんてないよ?どうしたらいいかもわかんないような、お子様みたいな私で伊吹は……」
最後まで言うより先に、抱きしめられて口づけられる。
「ん、……ふッ……」
口から漏れる声が思いもかけず甘えた様な声になって内心驚く。
でも力が抜けていく私にはどうすることも出来ない。
「お風呂もご飯も後な。先に千花。いいんだろ?」
そう額を合わせて聞いてきた伊吹に、私はコクっとうなずいて軽いキスを返した。
「バカ……、煽んなよ。優しくしてやれなくなるぞ」
そう言いながら私を抱えて歩く伊吹に、私はギュッと抱きついた。