イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない

喘息発作で運び込まれた女の子。

小川真穂ちゃん、17歳。

彼女は実は伊吹の母方の従姉妹だそうで、伊吹にとっては可愛い妹のような存在だそう。
昔から喘息には苦しめられてて、今も度々発作を起こすそう。

最近は落ち着いてたのに、ここ最近の天気の変動に弱って久しぶりに重めの発作が出たらしい。

確かに運び込まれた時はチアノーゼが出ていて、とても危なかった。

伊吹の早い処置のお陰で時間を置かず容態は落ち着いたものの、気管支の炎症が今回は強いので数日入院する事になった。

親戚でもあり妹のような真穂ちゃんが心配なのだろう。

伊吹は珍しく上がれる時間であっても上がらず、病院へ残ることにしたみたい。

「伊吹、小川さんはどう?」

そう聞くと、伊吹は少し申し訳なさそうな顔をして教えてくれた。

「少し落ち着いて、また寝た所だ。ごめんな、千花。今日はちょっと真穂が心配だから残るよ」

そんな伊吹に、私は微笑んで伝える。
可愛い従姉妹だもの、今回は心配だろうしと思ったから。

「うん、分かった。伊吹も休める時に休んで無理してないでね」

そう言って私も疲れた身体を休めるために家に帰った。

まさか、この従姉妹が伊吹に長年想いを寄せているなんて露ほども知らないまま。

私は呑気にお風呂に入り寝るという夜勤明けのお休み前行動を取っていた。
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