イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
愕然としたが、この際にさらに確認せねばならないことがある。
この、伊吹。
仕事もできるし、頭も良いけれどたまに抜けている所もある。
そのもしやが頭をよぎって私は、そうでないと良いと願いつつ聞いた。
「ねぇ、帰ってなかったとしても、お嫁さんに連絡くらいしてるよね?そうだよね?」
私の顔があまりに危機迫ってたからか、伊吹は驚きつつ答えてくれた。
「昨日は病院で会った時に、忙しくて帰れそうにないとは言ったぞ」
昨日?!
一昨日も会ったとして今日は?
「ねえ、今日は?今日は連絡した?」
そう聞くと、伊吹はサラッと答える。
「今日は千花が夜勤明けだから、これから連絡する所だよ。何をそんなに焦ってるんだ?」
普段なら気の回るはずの伊吹の弱点。
疲れたら途端に仕事以外は抜けてく所。
奥さんがそれを知ってればいい。
でも伊吹の事だから、奥さんの前ではカッコつけてたはず!
「あのさ、悪いこと言わないから早く自分の家に帰れ?」
急な私の帰れコールに伊吹が眉間にしわ寄せつつ、言う。
「はぁ?とりあえずそれは真穂を診てからだな」
そう言って聴診器掴んだ伊吹の腕を、思いっきり握って私は物凄い勢いで突っ込んだ。
「あのね、いくらお互いの仕事分かりあってても、新婚でまだ1ヶ月も経ってないのに、三日もお嫁さんを放置して、どーすんのさー!!」
きっと、高校生の私が言っても全女子共通の意見だと言いたい。
私がやらかしたとはいえ、山口さんにかなり申し訳ないことをしてしまったと反省しているところにノックが聞こえた。