ずっと好きだ! 先生のこと



ある昼休みの事、辺りを見渡しても北嶋がいない。


別の所では——————


「北嶋君、話って何?」


「うん。梁瀬、俺お前の事ずっと好きだった。ぶっちゃけ、一年の頃からずっと。

俺とつき合ってほしい!」


「……ごめん。好きな人いるから」


「一条の事か?」


「うん」


「そか。ま、何となく分かってたけどな?で、告った?」


「うん。でもダメだった。好きな人いるって。タイミング逃したかも。私もずっとアイツの事好きだったのに」


「そか。何かやり切れねぇな?あ!でも俺一回やそこらでお前の事諦めないから!」


「ふぅ」


「今鼻で笑ったな?」


「笑ってないよ!」


「いや、笑ってる方がいい!お前には笑顔が一番似合ってるよ」


「……」


今まで我慢していた思いが込み上げて来た。

俯いて、肩を揺らして泣き出した梁瀬を、北嶋は見てない振りして彼女の側にいた。

落ち着くまで、ずっと。



< 71 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop