甘い魔法にかけられて
「柚ちゃんお昼にしましょ」

「は〜い」

先に食べたお義父さんが
店番をしてくれると言うので
お義母さんと食卓を囲む

「暑いからお素麺にしちゃった」

薬味やらトッピングやらの並ぶテーブル

「冷麺でもイケるくらいの具沢山ですね」

そう笑ったけれど
錦糸卵とお出汁のセットを
口の中に入れたことを想像しただけで
胃の辺りがムカムカする

「柚ちゃんどうかした?」

渋い顔をしてしまっていたのか
お義母さんに気づかれてしまった


「いや・・・あの・・・
珍しく電車で酔っちゃって
なんだか食欲ないんです」

「それは辛いわね
ちょっと顔色も悪い・・・
落ち着くまで二階で
休んでて良いよ」

心配だからと航平さんの部屋に
お布団まで敷いてくれた

「じゃあお言葉に甘えて・・・」

少し横になれば治るだろうと
お昼寝をすることにした


。



「・・・ちゃん、柚ちゃん?」

「あ、お義母さん」

声を掛けられて
ぼんやりと壁の時計を見ると

「へ?」

どう見ても短い針が5を指していた

「柚ちゃん疲れてたのね
このまま寝かせてあげたかったんだけど
お風呂も入りたいだろうから」

申し訳無さそうなお義母さん

大して疲れているつもりもないけれど
4時間も寝てしまうとは・・・

「お義父さんとお義母さんに会えて
ホッとしちゃったんだと思います」

「そお?なら、嬉しいけど」

寝てしまったことより
体調を気遣ってくれるお義母さんに

「晩御飯の支度手伝いますね」

サッと立ち上がろうとして
足から力が抜けた

「ゆ、柚ちゃん」

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