幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
しばらく夜空を眺めながら2人ボーッとしていると昇太が話を切り出した。

「で?何かあったのかよ?」

昇太の顔を横目で見ると何やらニヤニヤした顔でこちらを見ていた。

『なんだお見通しかよ…』

俺と昇太はお互い何かがあった時、なんとなく言いたい事があるというのがわかっている。

俺はフーッと深呼吸をしてからあの話を話し始めた。

「実は俺の行ってる塾に最近ある人が新しく入ってきたんだ。」

昇太は頷いて俺の話を聞いていた。

「もうその人が来てから一週間くらい経つんだけど、まだマトモに話せてなくて…今日少しだけ話しをすることがあったんだ。」

昇太は全く誰のことかわからないって顔をしていた。

俺は恐る恐る話を続けた。

「その人っていうのが実は例のあの人で……」

俺は濁すように言った。

「ん?あの人?まさか!!…って誰だよー?全然わからねーわ!なんかヒントくれ!」

昇太はノリツッコミのように返答し、俺に迫るように聞いてきた。

「ヒントは…中学時代話題になった人。」

俺はボソッと呟いた。

昇太は空を見上げて少し考えた後、もしかして!っというような顔で言葉を発した。

「えっ?まさか![あの人]か?中学の時のって」

俺は静かに頷いた。
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