幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
昇太は確信したように続けた。

「何その偶然!スゴくね?」

半笑いで話す昇太の顔を俺は見ることができずにいた。

俺は俯いたまま静かに話す。

「本当に偶然だった。最初は俺誰なのか全然わからなくて、名字も聞き覚えがある人だったけど、まさか[あの人]だなんて考えもしなかったんだ。」

昇太はびっくりしたようだったがすぐに冷静になり、笑顔で言い放った。

「へー。偶然ってあるもんなんだな!まぁもう俺にとっちゃ終わったことだから別になんとも思ってないけど」

俺は昇太の言葉を聞いてふと顔を上げた。

「だってもう1年くらい前のことだろ?向こうだってもう忘れてるってー」

昇太は気にする素振りもなく、淡々と話していた。
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