幸せのカタチ〜Fleeting memories〜

『まさかね。』

俺はそう思いつつも少し期待していた。

メールを開くと笑みが溢れた。


メールの相手は奥野さんだった。

内容は…言うまでもなく昨日の続き

また寝てしまっていたとのこと、昨日途中で終わっていた話の続き
何ら昨日と変わらないメールだった。

とりあえず風呂に入ってから返そうと思い、携帯を閉じたが、風呂の中でも俺はどう返すべきか考えていた。

『もう塾の話題も尽きてきたし、どうするかなー。そもそも3日も続けてメールするなんて思ってなかったし…まぁ俺は楽しいからいいけど。奥野さんはどうなんだろ?ちょっと他の話題を振ってみるか!』

そう思い立ち、風呂を出た。

一応昨日の話の続きを冒頭に書き、最後にちょっと違う話題を振ってみた。

すると30分後にまた携帯が鳴った。

『普通に返ってきた。』

俺は素直に嬉しかった。
違う話題といっても奥野さんの学校のことを聞いてみただけの普通の事だったが、それだけではなく俺に対しても聞き返してきてくれていたことが何より嬉しかった。

しかしコミュニケーションというのはそういうもので、誰でも聞いてきたことに対して聞き返すのは別に不思議な事ではない。

でもその時の俺はなんだかウキウキしていた。

そうして何度もメールでやり取りをした。
話題はお互いの学校のことから広がり、部活のことや友達のこと、今日あった出来事、とにかく話は尽きなかった。
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