冬の奏に…

「ただいま」

アタシは父親が帰って来たのが嬉しく、玄関先まで走って父親に飛び付いた。

「パパおかえりぃぃ」

「なんだまだ起きてたのか?」

「うん、パパ待ってたんだよぅ」

「そっかぁ、遅くなっちゃってごめんな」
………

「今日のパパのお洋服いい匂いするねぇ」

何気ないアタシのこの言葉に父親の顔は青ざめていった。

急に父は慌てだし、

「それじゃパパ着替えてこようかなっ」

ちょうどその時、

「あらっ、あなたいつの間に帰ってきたの?」

「うん、あ゙ぁ」

「???」

「あら、あなたどうしたの?ソワソワして?」

「いやっ、ちょっと…」

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