土方歳三の熱情
どうせ殺されるなら男色のケダモノに襲い掛かられた時に斬り捨ててやろうか。

それなら私が切腹させられるだけで弟や父は腹を切ることにはならない。

で、私の遺体をあらためる時に私が女だったとバレて、
やっぱり弟と父もただでは済まないだろう。

結局、力ずくで篠田から男の操を奪ってやろうというケダモノがあらわれた時点で私と私の家族の破滅が確定してしまうことになる。

私にできることは、
必要以上にマッチョで見るからに男色好きそうな男とはとにかく関わらないようにすること
くらいしかない。

それにしても武田さんに凄んだ時の土方さんはかっこよかったなぁ。

「篠田に体術は必要ない」
だって、
かっこよかったなぁ。

でもあれ、土方さんは武田さんが体術の修練を名目に男色に耽ることを知っているわけだから、
篠田を男色の相手にはさせないっていう意味で言ったんじゃないのかな。

ということは土方さんは嫉妬してたのかもしれない。
< 47 / 72 >

この作品をシェア

pagetop