土方歳三の熱情
きっと顔も赤くなってしまっているに違いない。

「しばらくは毎晩オレの家に通え。
そうすれば誰もおまえに手を出そうとはしないだろう。
その間に今後のことを考えればいい」

「今後のこと……いったい……
どういう選択肢があるんですか、私には」

「うん。まず最初に分かっておいてもらわないといけないのは、
これがオレにとっても危険なことだということだ。
オレの家に通っていることが知れ渡った後でおまえが女だと皆にバレれば、
当然オレがおまえを女だと知っていたことも明らかになってしまう。
そうなったら近藤さんも士道に背いたオレを処分しなくてはいけなくなる」

「処分……」

「あぁ処分。まぁ切腹か斬首だ」

「土方さんが切腹か斬首……」

「自分で言うのもなんだが、オレは新撰組の重しだ。
オレが死ねば新撰組は空中分解してなくなってしまうだろう。
つまりおまえが女だとバレればオレは死ぬし新撰組もなくなってしまう」

「私ひとりのために……」

「そうだ。オレはそれだけの決意を持っておまえをここによんだ」

「なぜ……私などのためにそこまでしてくださるのですか?」

「言っただろう。おまえに惚れているからだ。
恋は人を幸せにもするが愚かにもするもんだ」
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