酔ったら、



「うう…っ」



この20分ほどの間に案の定、吐いてしまいました、三度。

それでも、まだ頭痛は治まらず。

みんなに片付けも任せたままで、申し訳なく思う。



「はあ…つら…」



私は旅館のロビーで、床にへ垂れ込み、壁に寄りかかっていた。

右手に先輩からもらった、水を携えて。

この肌寒いはずの空気が、今はあまりにも心地好い。

でも、身体中の違和感と不快感は、未だ治まらない。



「うわ、びっくりした」



少し後ずさり気味に言ったのは、また先輩だった。



「す、すみません」

「いや、俺が勝手に驚いたのだけだ。本当に大丈夫か?」

「はい。峠は越えました…多分」



私の台詞とは裏腹な顔色を見た先輩は、私の隣に腰かけた。

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