クールな公爵様のゆゆしき恋情2
晩餐会が終わり、部屋に戻りアンナに手伝って貰い湯浴みと着替えをした。
その間も頭を過ぎるのは、アレクセイ様とヘルミーネ様が纏っていた香りのこと。

夜着を身に付け寝室に入ると、既にアレクセイ様が居て、大きなベッドに身体を横たえていた。

アレクセイ様が私より先に横になっていえるのは珍しい。

「アレクセイ様……」

近寄り声をかけると、アレクセイ様は目を開きその碧眼で私をじっと見つめて来た。

「お疲れなんですか?」

心配になってそう問えば、アレクセイ様は腕を伸ばし、私をぐいと抱き寄せる。

「あっ!」

そのままベッドに引き上げられた私は、あっと言う間にアレクセイ様の腕の中。

「ラウラは大丈夫か?」

「は、はい」

「そうか」

アレクセイ様は安心したように微笑み、私を抱きしめる腕に力をこめた。

いつもは温かい胸に抱き寄せられると安心する。

だけど今日の私は、心から安心出来ない。
それはやはり気がかりがあるからだ。

「アレクセイ様」

呼びかけると、「なんだ」と優しく答えてくれる。

「昼間の外出はヘルミーネ様と一緒だったのですか?」

「え?」

アレクセイ様の穏やかだった表情が、驚愕のそれに変わる。

「……一緒だったのですね」

自分でも思ったより落胆しながら私は呟く。
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