クールな公爵様のゆゆしき恋情2
リードルフは、フェルザー城の北西に位置する、古くから栄えている鉱山の街だそうだ。

現在、リードルフを治めるのは、フェルザー公爵の代官であるヒルト男爵。

数代前のフェルザー公爵の部下が、リードルフの街を任せられ発展に尽くした功績から男爵位を与えられたことが興りの家。

現在の当主は三代目の当主になる。
妻は病で亡くなってしまっているのだけれど、一人娘がいるとのこと。

基本的な情報を得た私は、更に詳細なリードルフの資料を取り寄せ、視察の準備の傍ら、資料を読む日々を送っていた。

リードルフには五十を超える採掘場が有り、多くの労働者が鉱石の採掘、精製に従事している。

街の東と西には大きな河が流れており、採掘した鉱石を、西側の河から船で遠くまで運んでいる。

そうすれば陸路で行くよりも、効率的に大量の資源を運ぶ事が出来るからだ。

領地に鉱山が無い家は、フェルザー領の良質な鉱物を欲しがり、注文が殺到している。

そういった事情からリードルフの街の収入は、フェルザー公爵家の総収入の内、かなりの割合を占めており、アレクセイ様が重要な街だと言っていたのも頷けた。

だけど、収支報告書を眺めている内に、ここ数ヶ月の税収が減っている事に気が付いた。
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