強引ドクターの蜜恋処方箋
午後9時半にジムからシャワールームへ移動した。
シャボンの清潔な香りが私の体を癒してくれる。
ドライヤーで髪を乾かし化粧直しをした後、時計を見ると午後10時過ぎだった。
もうこんな時間。
手早く身支度を調えて、ビルの最上階のバーラウンジへ向かった。
慣れない場所だと落ち着かない。
視線を泳がせながら、ゆっくりとラウンジに入るとボーイが声をかけてきた。
「どちら様ですか?」
「多分、田村という名前で予約が入ってると思うんですが」
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
案内されたのは、全面夜景が見渡せる窓際のソファーだった。
ゆっくりとソファーに腰を下ろす。
今日は、ここで田村さんと待ち合わせている。
本当はそんな気はなかったんだけど、半ば強引に押しきられるような形で「この後少し飲まない?」と誘われた。
これまでも何度か誘われたけど、何かと理由をつけて断ってきた。部署は違えど仕事でお世話になっている上司だ。ユカの直属の上司でもあるし、さすがに何度も断るのは立場的に気が引けた。
男の人と二人で飲みに行くなんて本当に久しぶりのことで正直緊張している。しかもこんな駅ビルの最上階のラウンジなんて。握りしめた手のひらがじんわり汗ばんでいた。
スポーツ後の体は心地よくだるくて、夜景を目の前に現実と夢の狭間に飲み込まれそうになる。
柔らかいソファーに吸い込まれていく感覚に酔いしれていると、シャボンの香りが鼻をかすめた。
「お待たせ」
ゆったりとした足取りで、私の横のソファーにやってきたのは田村さんだった。
彼は腰をかけると、まだ乾ききらない前髪を掻き上げた。
濡れてるイケメンって、間違いなく色っぽいよね。
そんな田村さんから思わず視線を逸らした。
田村さんは手慣れた感じで奥に立っていたボーイを呼ぶと、私にメニューを見せながら、
「何飲む?」
と、薄暗がりの中で私に優しく微笑んだ。
とりあえずライトカクテルのメニューの中から目についたものを伝える。
「カシスオレンジ」
彼は頷くと、横に立っているボーイに頼んでくれた。
「カシスオレンジ1つと、ウィスキー水割り1つで」
ウィスキー。
大人の飲み物だと思う。
私も十分大人の年齢だけど、まだウィスキーをおいしいと思えたことはない。
いつか、おいしいと思える日が来るんだろうか?
シャボンの清潔な香りが私の体を癒してくれる。
ドライヤーで髪を乾かし化粧直しをした後、時計を見ると午後10時過ぎだった。
もうこんな時間。
手早く身支度を調えて、ビルの最上階のバーラウンジへ向かった。
慣れない場所だと落ち着かない。
視線を泳がせながら、ゆっくりとラウンジに入るとボーイが声をかけてきた。
「どちら様ですか?」
「多分、田村という名前で予約が入ってると思うんですが」
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
案内されたのは、全面夜景が見渡せる窓際のソファーだった。
ゆっくりとソファーに腰を下ろす。
今日は、ここで田村さんと待ち合わせている。
本当はそんな気はなかったんだけど、半ば強引に押しきられるような形で「この後少し飲まない?」と誘われた。
これまでも何度か誘われたけど、何かと理由をつけて断ってきた。部署は違えど仕事でお世話になっている上司だ。ユカの直属の上司でもあるし、さすがに何度も断るのは立場的に気が引けた。
男の人と二人で飲みに行くなんて本当に久しぶりのことで正直緊張している。しかもこんな駅ビルの最上階のラウンジなんて。握りしめた手のひらがじんわり汗ばんでいた。
スポーツ後の体は心地よくだるくて、夜景を目の前に現実と夢の狭間に飲み込まれそうになる。
柔らかいソファーに吸い込まれていく感覚に酔いしれていると、シャボンの香りが鼻をかすめた。
「お待たせ」
ゆったりとした足取りで、私の横のソファーにやってきたのは田村さんだった。
彼は腰をかけると、まだ乾ききらない前髪を掻き上げた。
濡れてるイケメンって、間違いなく色っぽいよね。
そんな田村さんから思わず視線を逸らした。
田村さんは手慣れた感じで奥に立っていたボーイを呼ぶと、私にメニューを見せながら、
「何飲む?」
と、薄暗がりの中で私に優しく微笑んだ。
とりあえずライトカクテルのメニューの中から目についたものを伝える。
「カシスオレンジ」
彼は頷くと、横に立っているボーイに頼んでくれた。
「カシスオレンジ1つと、ウィスキー水割り1つで」
ウィスキー。
大人の飲み物だと思う。
私も十分大人の年齢だけど、まだウィスキーをおいしいと思えたことはない。
いつか、おいしいと思える日が来るんだろうか?