紅の葬送曲
「藤邦にあった切碕のDNAサンプルと照合した結果、切碕と紅斗は親子関係が成立した」
俺は潰された子宮から犯人の痕跡が残っている可能性を考え、藤邦の病院に被害者の検死を頼んでいた。
その結果、子宮から犯人の指紋と皮膚が付着しているのを発見した。
そして、二回目の現場で息子と名乗る犯人の男が現れたことで、その男と切碕との親子関係を調べてもらっていた。
その結果がこれだ。
「どうするの、凌?切碕の息子なんて野放しに出来ないでしょ。玖下は切碕の息子だけど、奴と同じ思考はないし……」
詩依の言う玖下は切碕の息子で、政府が犯罪者を裁く犯罪者として20年以上前に父さんのもとで働いていた。
でも、蓬條家の現当主である詩依の父親に仕えてから彼に忠誠を誓い、今でも蓬條の重要なポジションについている。
「野放しにするわけないだろ。捕まえて、呪いの解き方を吐かせてから殺してやる」
切碕の息子にも関わらず、殺戮思考が皆無だった玖下は特殊だっただけだ。
殺人を犯した紅斗は殺す対象でしかない。