紅の葬送曲
妹は体が丈夫では無かったが、明るい子で俺も大事に思っていた。
でも、そんなある日。妹が子供を身籠ったから産むと言い出した。
体が弱い上相手のことを言おうとしないから俺も両親も反対したが、産むと聞かなかった。
結局妹は子供を産んですぐに命を落とすことになった。
妹が産んだのは女の子だった。
それが紅緒、お前だ。
親をなくしたお前は俺が引き取り、育てることにした。
でも、妹の遺品を整理していてお前の母子手帳を見つけたときに見つけてしまったんだ。
お前のとは別のもう一冊の母子手帳を。
母子手帳が二冊ある。つまり、お前は双子であのときにもう一人産まれていたんだ。
俺は刑事という職業を利用して当時妹の出産を担当した医師を問い詰めた。
その結果お前は男女の双子で、先に生まれた兄がいた。