紅の葬送曲
「……お二人の中に流れてる血は──」
「俺は伊賀忍、一飛は甲賀忍のDNAが組み込まれてる」
気配を消すことに優れる忍者のDNAを組み込まれてると言われれば、納得してしまえる。
それくらい二人には気配がない。
「20年前には風魔のDNAが組み込まれた奴もいたんだが……、馬鹿だから死んじまった……」
羽取さんのその物言いは呆れているような感じだった。
でも、何処か誇らしげで優しさが込められているような感じがした。
「そういえば、君の正体、凌君から聞いたよ。誰かに似てると思ったら、切碕だったんだね」
すると、思い出したように佐滝さんは私の方を見た。
眼鏡越しのその目は顔は笑っているのに、笑っていない。
やっぱり、私は切碕の娘だから忌み嫌われるのかな……。
私はばつが悪くて、彼から視線をそらした。