紅の葬送曲


「でも、君と奴は根本的に違うみたいだね」




佐滝さんの予想外な言葉に、私は彼を見た。




あれだけ笑っていなかった目は穏やかに細められていた。





すると、佐滝さんは私の頭をポンポンと撫でる。





「人には生まれてきた意味がある。君は人を殺す切碕とも紅斗とも違う。だから、君は君らしく生きて、その意味を見つけると良い」





「切碕と同じく人を殺すために作られた俺達が言えるタチじゃねぇけど、生まれたことを誇りに思えよ。俺達とお前、形は違えど皆から望まれて生まれてきたんだからな」




羽取さんもむず痒そうに頬を掻きながらそう言った。




私は切碕の娘で紅斗の妹。




真実は知らずとも、生まれてくることを望んでくれた生みの親であるお母さんと育ての親であるお父さん。





思えば、死にたいと思うのは贅沢だ。





まだ生きたいのに生きれない人がいるのに、まだ生きられるのに死のうとするのはとても贅沢なことだと思った。





私が生まれてきた意味があるなら見つけたい。





見つけて、自分らしく生きたい。






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