紅の葬送曲


「簡単な話だ。この消印は一昨日の日付。……一昨日、何が起きた?」





「一昨日?あ、浅井ちゃんが翔鷹に入隊した日だ!」





「そうだ。翔鷹のメンバーは基本的に公にされていないからこいつが入隊したことを知る者は一般人にはいない。つまり、手紙を投函したのはこいつの入隊を知らない訳がない警察関係者及び翔鷹関係者になる」






お父さんが大事な手紙を託すくらいだからそんな気がしていた。





お父さんに近かった人は現役で仕事をしているし、お父さんが翔鷹に所属していたなら彼らだって怪しい。





そもそも何でそのタイミングで手紙を出したのが分からない。





「……まあ、とりあえずこの件は一旦諜報課と佐滝さんに一任する。他の奴ら紅斗の件に集中する、良いな?」





翔鷹を仕切る彼がそう言うなら従うしかない。




私は手紙のコピーを寿永隊長から貰い、投函した人物の調査に使うであろう原紙を佐滝さんに預けた。





その投函した人物……。





私は意外にも身近な所にいる人だったとは思っても見なかった。




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