紅の葬送曲
「……では、外しますよ」
私は深呼吸をすると、彼女の体から爆弾を外した。
外した瞬間、ゆっくり刻まれていたはずの時間が一気に刻まれていく。
まずい、爆発する……。
私は爆弾の呪縛から逃れた彼女を室内へ突き飛ばし、外に身を乗り出した。
空に向かって爆弾を放り投げたと同時に、ベランダの柱の影に隠れて身を小さくする。
──その瞬間、目映い光と共に爆弾が爆発した。
爆弾の轟音とガラスの割れる音がして、
「……っつ!?」
爆弾の破片が頬をかすったのか、頬が痛んだ。
少しすると爆風が治まると、私は急いで室内へ戻った。
室内にはガラスが散乱しているけど、寿永隊長もメイドの彼女も汀様達も無事だった。
「皆、無事で良かった……」
「何が無事で良かった……だ?」
ホッと肩を落としていると、寿永隊長の低い声が聞こえた。