紅の葬送曲



とある廃屋の裏庭にて。




「凌君が動き出したか……」




廃屋には二つの影、以前裏路地で話していた二人の青年だ。





彼らは辺りに警戒しながらもお互いの情報を共有している。





二人が会えるのは皆が寝静まる真夜中で、その時間も長くはない。





だからこそ、共有するための情報は要点をまとめて話さなくてはならなかった。




「ああ、寿永は小鳥遊の娘に俺を探らせてる。お前と俺の関係やあの男のこともそのうちバレる」




「バレても構わないさ。困るのは僕や君じゃない、あの男だ」





赤目の青年は炎のように赤い目に、冷たい光を宿していた。





彼がその目を向けるのはただ一人。





己と最愛の妹を引き離し、味方になってくれた男の人を殺した男──。





「あの男だけは絶対に許さない。絶対殺してやる。紅緒を……寿永さんを苦しめたあの男だけは……」




「紅斗……」




もう一人の青年は赤目の青年を心配そうな声で呼ぶ。






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