紅の葬送曲
「……凌君、僕と琉介は信じなくて良い。でも、君を最期まで慕った部下は信じてあげてよ」
悲しそうな顔をする紅斗。
もしかして、紅斗は小鳥遊さんの最期を見たのかもしれない。
でも、だって、紅斗は安倍明晴と協力して切碕を蘇らせようとしているんだよ?
信じられない。
「……浅井、執務室から俺のパソコンを持って来てくれ」
「寿永隊長!?紅斗を信じるんですか!?」
「俺が信じるのは菖だ。中身を確かめてこいつらが嘘をついていたなら真実を吐かせるまでだ」
寿永隊長は紅斗が差し出すUSBメモリーを受け取ると、ぎゅっと握り締めた。
私はぐっと拳を握ると、執務室に走った。
そして、寿永隊長のデスクからパソコンを取ると、再び拘置所のある地下にかけ降りた。
「寿永隊長、持って来ました!」
パソコンを渡すと、彼はUSBメモリーを接続してデータに目を通した。
「これって……」
そのUSBメモリーに入っていたデータに、私達は頭が真っ白になった。