紅の葬送曲
「──寿永隊長、お茶が入りました」
私は入れた紅茶をソファーに寝転がる寿永隊長の前のテーブルに置いた。
「……ああ」
彼は腕を顔に乗せて、そう返事しただけで起きようとしない。
ソファーに寝転がる彼はもう無気力と言った感じだ。
ネクタイを緩めて、上着とブーツと靴下を脱ぎ散らかし、ただソファーに寝転がっている。
何でこんなにも彼が無気力になっている理由は分かっている。
さっき見た小鳥遊さんが遺したというUSBメモリーが原因だ。
あのUSBメモリーにはこれまで私達が信じてきたことを全て否定することが書かれていた。