紅の葬送曲
「ギャー!出たー!」
「人を化け物扱いするな」
私の悲鳴に、背後から現れた人物──寿永隊長は持っていた封筒を丸めて私の頭を叩いた。
封筒!?
まさか、退職するための書類!?
私は琉ちゃんの影に隠れると、寿永隊長の顔を窺った。
「……あの、これは一体……」
私と寿永隊長の間に挟まれた琉ちゃんは困惑していて、彼と共に現れた小鳥遊君は必死に笑いを堪えている。
笑い事じゃないんだけど……。
すると、寿永隊長が深々とため息を吐いた。