紅の葬送曲



外では冷たい雨が降りしきっている夜。




香西京は警察の官舎の自室でパソコンと向き合っていた。




彼女はコーヒーを横に起き、パソコンを眺めているとガタリと急に立ち上がった。





「……何これ。これってまさか……」





パソコンの画面にはつい先日まで同僚だった男を探偵に調べてもらった結果が映っている。





前々から違和感を覚えていた同僚。





親友の幼なじみで面倒見の良い男であったが、その男の本当の顔は決してそのイメージとはかけ離れていた。





「紅緒に教えないと……」





データをSDカードに焼き、それをパソコンから取り出すと背後に人の気配を感じた。




──まずい、来た……。





背後から感じる殺気。





その殺気が真後ろに感じると彼女は振り返り迎撃体勢に入ろうとした。




──が、直後に首に鋭い痛みを感じた。





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