紅の葬送曲
あれ、この声って……。
私はフードの男の子の声と雰囲気に覚えがあった。
すると、寿永隊長は私の前に移動してフードの男の子を睨み付けた。
「寿永隊長?」
「……お前、何者だ?」
「ククク……。さすがは翔鷹隊長にして、寿永家の跡取り。本能的に僕を警戒しているね」
フードの男の子は喉の奥で笑うと、ゆっくりと左手を持ち上げて目深く被ったフードを外した。
そして、露になった顔に息を飲む。
「お前は……」
「初めまして、寿永凌君。僕は紅斗(ベニト)、宜しくね」
フードを外した男の子は防犯カメラに映っていた人に。
赤い目をした、私の夢に出てきた男の子に間違いなかった。