昨日の夢の続きを話そう
「だから澪ちゃんには、できたら僕だけを見てて欲しいな。よそ見しないで」


はにかむ横顔に、無性に胸がときめく。

白い建物が見えてきた。
周りには、取り囲むように黄色い花が咲いていて、白い外壁にとても鮮やかに映えていて、すごく素敵。


「ところで、さ。あのお祭りの日に、澪ちゃんが青い鳥を探してた理由はなんだったの?」


いつか、話すね。
瑠加さんには、聞いて欲しい。

必死で追いかけるくらい守りたかったものも、臆病でダメな自分のことも、全部、全部知って欲しい。

その〝いつか〟は、決して遠い未来じゃないと思うんだ。


「もしも僕が青い鳥なら、澪ちゃんの願いを叶えてあげるのにな」



冷やかす素振りもなく、真顔で瑠加さんが呟いた。

胸の奥が、きゅんと疼く。
きっとこれが、いとおしいという感情なんじゃないかな、と私は思った。


「ん? どうしたの澪ちゃん、ニヤニヤして」
「瑠加さんと出会えて、本当に良かったなって思って。なんだか、嬉しくて、胸がいっぱいで……」


僅かに開けた窓からは、潮の香りが流れてくる。


「……なにその可愛さ。もっと出し惜しみしてくれないと、心臓がもたない」
「は、はい?」


どこか呆れたような、膨れたような声色で言った瑠加さんは、片手でハンドルを握りながら、もう一方の手で私の手の甲を包み込んだ。


幼き日に見た夢には、続きがあって。

幸せの青い鳥は、戻ってきて、今こうして私の隣で微笑んでいる。



end
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