昨日の夢の続きを話そう
「……そんな心配は無用です」
食べやすそうなサイズをひとつ摘んで、瑠加さんの口のなかに入れる。
「私、瑠加さんよりカッコいい人なんて存在するのかなって、思ってますから」
今度こそ、ぱたんと蓋を閉めたとき。
「く、食らった……」
瑠加さんは片手で自分の胸元を抑える。
「へ?」
「む、無意識ってとこが恐ろしい……」
「? その、シェフの方ってお幾つなんですか?」
「僕の二個上、二十八。あ、ほら、もう興味持ってる!」
「る、瑠加さん、運転中ですから落ち着いてください……」
頬を膨らませる瑠加さんの肩を二、三度叩き、私は溜め息を吐いた。
「やっぱ辞めようかな、行くの」
「え? あの、不思議なご縁があるとか、 興味持たせるようなことを言い出したのは瑠加さんなんですけど……」
「京都旅行のお土産があるって言ってたから、それを貰ったら速やかに帰ろう」
「え、でも、仕事の打ち合わせをするんじゃ」
「いいんだ、別に。そんなの忘れて」
「いやいやいや、そんな、忘れるだなんて……」
必死でなだめて言いながら、私は自分もなにか大事なことを忘れているような気がしてきた。
なにか大事なこと……誰かとの約束?
「……あ! お見合い!」
閃いて、つい声を上げた私。
真横から、痛いくらいの視線が向かってくる。
「お見合い?」
「な、なんでもない、です」
「もしかして、そんな予定でもあったの?」
「……」
瑠加さんに正直に話したら騒ぎそうだから、私は口を結んだ。
ぬか喜びさせちゃって申し訳ないけど、あとで母に断っておこう、と思った矢先。
「でも安心して」
「へ?」
「どんな虫からも、僕が守るから」
片眉にアクセントをつけた瑠加さんが、片目だけを器用に細める。
食べやすそうなサイズをひとつ摘んで、瑠加さんの口のなかに入れる。
「私、瑠加さんよりカッコいい人なんて存在するのかなって、思ってますから」
今度こそ、ぱたんと蓋を閉めたとき。
「く、食らった……」
瑠加さんは片手で自分の胸元を抑える。
「へ?」
「む、無意識ってとこが恐ろしい……」
「? その、シェフの方ってお幾つなんですか?」
「僕の二個上、二十八。あ、ほら、もう興味持ってる!」
「る、瑠加さん、運転中ですから落ち着いてください……」
頬を膨らませる瑠加さんの肩を二、三度叩き、私は溜め息を吐いた。
「やっぱ辞めようかな、行くの」
「え? あの、不思議なご縁があるとか、 興味持たせるようなことを言い出したのは瑠加さんなんですけど……」
「京都旅行のお土産があるって言ってたから、それを貰ったら速やかに帰ろう」
「え、でも、仕事の打ち合わせをするんじゃ」
「いいんだ、別に。そんなの忘れて」
「いやいやいや、そんな、忘れるだなんて……」
必死でなだめて言いながら、私は自分もなにか大事なことを忘れているような気がしてきた。
なにか大事なこと……誰かとの約束?
「……あ! お見合い!」
閃いて、つい声を上げた私。
真横から、痛いくらいの視線が向かってくる。
「お見合い?」
「な、なんでもない、です」
「もしかして、そんな予定でもあったの?」
「……」
瑠加さんに正直に話したら騒ぎそうだから、私は口を結んだ。
ぬか喜びさせちゃって申し訳ないけど、あとで母に断っておこう、と思った矢先。
「でも安心して」
「へ?」
「どんな虫からも、僕が守るから」
片眉にアクセントをつけた瑠加さんが、片目だけを器用に細める。