溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
大きなソファーに座らされて、ルイは溜め息をついた。

ずっとヤキモキしていた私は口を開いた。

「…ルイさんは、誰なんですか?ルカさんと、ルイさんの関係はなんなんですか?二人は顔が瓜二つだし…もう、頭の中が、パニックで」

「…美々はまだ、3つだったから、覚えてないと思う…でも、ここで、美々の家で、何度も顔を合わせてる。美々の誕生日だって、一緒に祝ってた。美々のご両親にもよくしてもらって」

…母から聞いていたことと、話が一致する。

…でも、それは、ルイではなく、ルカの方じゃないのか?

「…ルイさん、何ですか?…ルカさんじゃなくて?」

私の言葉に力なく笑ってルイは首を降る。

「…ルカは、双子の弟だよ。両親と一緒に暮らしてた。どこに行くのも一緒。俺はこの家で独りだった。家政婦が勤務時間だけいて、時間が来れば帰って、また独りぼっち…でも、美々や両親が、一緒にいてくれた…だから、寂しくなかった」

「…でも、ルカさんは、その事を知ってる…」

「…ルカに、騙されないで。美々と過ごしたのは、確かに、この私だよ」

そう言って、ポケットから小さなウサギのぬいぐるみ。

それは、私が小さい頃ずっと大事にしていたものだった。

少し大きくなってから、ないと、泣いて母を困らせたこともあった。

それをルイが持っている…
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