溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
「…寂しくなんて、ないですよ」
「…美々の本音が、聞きたいんだけど?」

「…これが、本音です」
「…そう?私は寂しい」

ルイの真っ直ぐな言葉に、言葉を詰まらせる。

「…美々の、本音は?」
「…寂しい…」

ボソッと呟けば、色んな感情が一気に溢れ出していく。

「…うん、良かった…寂しくないなんていわれたら、泣いてたかも」

「…何言ってるんですか?…大きな会社の社長が」

そう言って困ったように笑えば。

「…美々の前では、ただの一人の男だよ。ねぇ、美々」
「…何ですか?」

「…帰ってきたら、一杯甘えてね」
「…」

「…私も甘えるから」
「…なっ、」

「…帰ってきたら、一緒に仕事しようね」
「…え?」

突然の言葉に、驚く。

「…今度、うちの会社の創立記念パーティーがあるんだ。RoseJardinのシェフと、そのパティシエにその料理とデザートをお願いしてあるんだ」

「…なっ、そんな大きなパーティーのデザートなんて、一人じゃ出来ませんよ?シェフは、知り合いに助っ人は頼めるでしょうが」

「…うん、それは心配しないで。その辺は、シェフと話してあるから。詳しいことは、シェフに聞いて。デザートは、美々に一任するから…それじゃあ、また、帰ってきたら、会いに行くからね。それまでいい子にしててね」

「…え、あ、ルイさん?!」

電話は切れてしまった。
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