溺愛プリンス～秘密のフィアンセ～
「…あー、このまま美々の全部を食べちゃいたい」
「…食べちゃいたいって、どういう意味…」

これまでろくに男性と付き合ったことのない私は、意味がわからない。

「…美々とシたい、エッチ…って、言えばわかる？」
「…っ？！！！」

回りくどい言い方では通じないとわかったルイが、直球の言葉を投げかけて、私は驚いて赤面して、ルイから体を出来る限り離す。

が。

ルイはそれを許さない。

私はどうしていいかわからなくて、アタフタする。

…すると、ルイは可笑しくなったのか、クスクスと笑いだして、私はからかわれたことに気づいて、ルイを怒る。

叩く私の手をぎゅっと掴んだルイは、真剣な顔になって、私はその手を止めた。

「…美々が元気になったら、するつもりだから、それまでに覚悟しててね」

「…っ」

「…美々は、私のモノですよね？」

困惑しつつも、小さく頷いて見せると、ルイは、嬉しそうに微笑んだ。

…ルイを我慢させてしまってるのはわかる。

いつかは全部をあげたいと思う。

でも、まだ、それは今じゃない。まだ、心の準備が出来ていない。

必ず、全部をあげるから、もうしばらく待っててね。

私は心の中で呟いた。
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