溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
6.「…貴女と私は離れられない」
甘い時間は、ほんの少し。

思いの外、体調が良くならなくて、私は三日間熱にうなされ。

でも、ルイにアパートに送ってもらうまでは、それをなんとか隠していた。熱も、その時は、そうでもなかったから、隠せたのだけど。

会いたいと、ルイからメールや電話をもらっても、何とか誤魔化してひたすら寝ることにした。

熱を出して二日目、インターホンがなり、私はふらつくからだをなんとか動かしてドアを開けた。

「…はぃ…」
「…美々、シェフに聞いて、様子を見に来たんだけど、って、おい、美々!」

もう、起きてられなくて、その場にしゃがみこんだ私を抱き上げたのは、楓だった。

「…病院は?」
「…置き薬飲んだんですけど」

私の答えに溜め息をついた楓は、一度私をベッドに寝かせ、テキパキと病院へ行く支度をする。

「…勝手に開けるよ」

そう言ってクローゼットから、コートを取り出し、鞄を探す。

「…保険証は?」
「…財布の中に」

「…よし、行くよ」
「…え、いいです。寝てたら治る」

「…治ってないみたいだから、それは無理」

四の五の言わせず、私を起こしてコートを着せると、また抱き上げて車に向かって歩き出す。

車につくまで、人とすれ違い、いたたまれない。

「…歩けるから」
「…美々の言葉は信じないことにした」

そう言うと、そのまま病院へ連行された。
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