サンタは三人いる

***

「お疲れ様、みんなもう上がっていいよ」


最後のお客様を見送った後、チーフパティシエの齋藤(さいとう)さんがショーケースに並んで立っていたバンドゥーズ(販売員)達に声をかけた。


「「お疲れさまです!!」」


クリスマスイブ前日とイブ、クリスマス当日。地獄の三日間を乗り切った達成感に、その場にいた全員が歓声をあげた。


ここは、パティスリー「l'arome de boheur」[ラ・ローム・ドゥ・ボヌール]。


私はここで、この春からパティシエ見習いとして働いている。


まだ見習いの私はクリスマスの戦力には程遠く、チーフには店舗で接客のフォローをするように言われていた。


「麻里ー、お疲れさま。……三日間私達、よく頑張ったよね」


ロッカールームで、バンドゥーズで同僚の美咲(みさき)に声を掛けられた。


美咲も私と同じく春からここで働き始めたのに、もう一流の販売員みたいに堂々と仕事をこなしている。


明るい性格の彼女には、パッと華やかなパステルブルーのギンガムチェックのシャツワンピースに、白いフリルのエプロンという制服のスタイルがよく似合っている。
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