素敵な王子様の育てかた。

「と、いうわけで、これにて大団円かしらね?さあ、早く大広間に戻って皆の前で報告しないと!ララの気が変わらないうちに早く紹介しちゃうわよ!」

「え?ええっ!?」

「さあ、さっさと行きましょう!ああ、今日はなんていい日なのかしら!義理とはいえ、ララが私の娘になるなんて、こんなに嬉しいことはないもの!改めてよろしくね、ララ。もっともっと仲良くなりましょうね!」

「王妃様っ」

王妃様が浮かべた笑い顔は、とても美しかった。
きっと多分、この笑顔は一生忘れることはないだろう。

私は王妃様のように美しくもないし、器用でもない。

でも私なりに、王子のために。
そしてみんなのために一生懸命、こなしていこうと誓った。

だって、この私を歓迎してくれたんだもの。
王子の結婚相手として認めてくれたんだもの、……こんなに幸せなことはないから。


――そして大広間へと戻った私たちは、改めて王子と、その婚約者であると大々的に紹介された。


ここでのあらましを知っている参加者たちは、初め驚きの声をあげるも、温かい拍手で祝ってくれた。


王子と私は揃って、参加者たちに深く礼をする。



その時、王子と私の手はしっかりと固く握られていた。

もう離さないと言わんばかりに……。

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