素敵な王子様の育てかた。


しかし両親は、そんな呑気な私を心配しているようだった。

たしかにこの国の常識として、女の一番の幸せは結婚をし、子を成すこと。

周りの同じ年の女性たちはだんだんと相手を見つけ、結婚をしていくから焦るのも仕方ないだろう。



でも、自分で納得しない相手と結婚することが幸せだと言えるのかと、疑問に思う。


一番は私がこの方なら!と思える相手と結婚すること。


だから私は納得するまで、その首を縦には振らないつもり。

いい加減夢を見るのはやめろと、諭されるけれど。



けれど、しょうがないの。

私の理想は、素敵な王子様。


そのさらさらな髪を靡かせ、宝石のような笑顔を向けて、凛と私の前に立ってくれる。


……そんな王子様のような男性を求めているのだから。


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