素敵な王子様の育てかた。
……言ってしまった、ハッキリと。
後悔すでに遅し。
王子は茫然とした様子で身動きひとつしなくなり、無言になった。
私の発言により、なにか思い直せばよいのだけれど。
これで王子が私を拒否してしまったら、それこそ元の木阿弥だ。
しかし言わざるを得なかった。
それだけ王子の肩書は重いのだから。
声をかけようと思ったが、私は静かに王子の返答を待つことにした。
依然扉の向こうから、楽しげな笑い声と明るい音楽が聞こえている。
夜会は始まったばかり。
ここの静けさとは雲泥の差だ。