元社長令嬢は御曹司の家政婦

率直に言って、繋がりが謎。
女の人に頭を下げられても、挨拶もしないで凝視していると、突然女の人がソファにいた猫に駆け寄った。


「みーちゃん......っ！！」


え？

女の人に突然抱きしめられて、にゃーんと猫は迷惑そうにないたけど、特に嫌がることもなくされるがまま。


「......間違いなく、あなたの飼い猫ですか？」

「はい、間違いなくうちのミケです」


え、なに、それ。
どういう意味？

地味な女の人と猫を見て、冷静に告げる秋人に、感極まったようにうなずく女。

私だけが、ついていけない。
　　

「本当にお世話になりました。
保護して頂いてありがとうございます。
このお礼はまた後日必ずさせて頂きます」

「いえ、お礼は結構ですので気になさらないでください。猫......、これからもミケを可愛がってあげてください」


猫を抱き上げ深々と頭を下げる女に、秋人も軽く頭を下げてから、ようやく飼い主の方が見つかったと私に告げた。良かったな、と。

それは、話の流れでなんとなく分かってた。

でも、ちょっと待ってよ。
何が良かったの？